最近のフレッシュプリキュア感想

5話。「ありがとうプリキュア」と、あっさり言ってしまった大輔。この一言が歴史を変える?

男子三名が、ひたすらラブやん美希ブッキーに振り回されて、結局撃沈して終了。
最後の締めを男子三名のシーンで終わらせた辺りが好みですね、話のまとめ方というか、今話のメインは誰だったか的な意味で。


かと言って、プリキュア側から視点がブレていたわけではなくて。
遊園地のギミックを使用した戦闘とか、ちゃんと工夫してて見応えあったなぁ。


1話冒頭で友人の女子の失恋に泣いたくせに、級友の失恋には新記録達成とか言い出すラブやん、外道過ぎる。
でも100回玉砕って、別に全部美希相手に突貫したわけじゃないだろうしなぁ。
しっかしラブ、「大輔」って下の名前で呼んでたよね。中学生って、異性を大体名字で呼ぶもんじゃなかろうか。脈はあるんじゃなかろうかと思いつつ、そういえばS☆Sの幼馴染キャラ・健太は咲に呼び捨てされてたけど脈なかったよな、と。
イケメンばかり優遇されるプリキュアの歴史をも、フレッシュに塗り替えられるか、大輔? ちゃんと友を助けようとナケワメーケに挑んでくれましたしね。
まぁ今のままではダメだろう、最後に「俺も偶然同じチケット持ってるから一緒に行こう」と機転利かせることくらいはしないと。
……今から6年くらい前ですね、『おジャ魔女どれみ』4シリーズを総括する最終話にて、いいところを持っていきながらも結局主人公に告白できなかった小竹哲也という幼馴染キャラがいましてね。ああ、その系譜がこんなところに生きていたなぁと――


美希も美希で、ちゃんと坊主頭(裕喜)を立ててやったり。
かと思えば最後に彼氏が居るところを見せ、ちゃんと諦めさせてやったりと。
……あの、中学生とは思えない程老けてるいい女ですハイ。女子のほうがマセるのは早いもんだけどね、限度と言うものがね。
にしてもこの時点でも、ラブは美希の弟を「彼氏」と認識してるのね。勘違いしてるのは裕喜だけじゃないんだよね。まだラブ、ブッキーが和希の顔を正面から見てない以上、実際はどうだか分からないんだけど。


んでブッキー。こっそり、ちゃっかり、キャラを着実に立ててないか?
お化け屋敷で、お化けのモチーフの動物を言い当てていくのはアリとして……うん、君なら妖怪横丁でもやっていけるよ。
何でも出てくるブッキーのバッグとか。パレードに興奮して、身を乗り出して手を振り回したのは吹きましたよ。
……でもナケワメーケ出現時、気絶した眼鏡の御曹司(健人)に頭を下げてから戦闘に向かうなど、ヘンなところ以外でのキャラ立ても忘れない。
ホント細かいところまで魅せてくれます。


そして、とうとうウエスターが変人扱い!
見ちゃいけませんって言われちゃ終わりだよ。頑張れ、頑張れウエスター!(笑)

6話。フレッシュプリキュア!はちゃんと面白いって、皆に勧めていいよね? 答えは聞いてない!

脚本の山下憲一さん……S☆Sの頃から注目してきたかたなんですが、とうとう凄い話を書いて下さったというか、何というか、ありがとうございますというか、自分に言われても仕方ないだろうけど。


CV鈴村なサウラー、満を持して初出撃。
今回の敵組織の目的はマイナスエネルギーを集めること、人間を滅ぼすことではない、ってことを一番理解してますね彼は。
ハンバーグを消すってしょーもないなぁ、と思いきや! ラブの親子喧嘩*1の発端になるだけでなく、一般家庭や外食店での被害まで、ちゃんと描写してくれるとは。
……ところであの黒板の、子供の好きな食べ物の中に。歴代の好物が並んでた気がするんだけど。カレーライスはおろかメロンパンまでなかったっけか? ちょっと確かめてる時間ないですが。


置いといて。
次々と消されていく子供の好物。ゲーム消したらスポンサーに怒られるとか、そういうのも置いといて。
それだけで飽き足らぬサウラーは観察を続け、遂に「母親」を消してしまう……
何という短絡的な、そして残酷な発想。鈴村さんのガチ演技と相まって、悪役過ぎる。
おそらく彼なら、外道衆とも躊躇なく手を組み、三途の川を溢れさせFUKOゲージを集めようとするはずだ。イースとウエスターは、その横でドン引きしてるな、きっと。


そして、ニチアサの歴史に残るであろうシーンが!
夕焼けの中消失する母親を呼ぶ子供。
さらに、ラブの目の前で消失する母親!
おいちょっと待て、トラウマ作るにしてもやりすぎじゃないか!? 許せる!(笑)
……ウルトラマンや鬼太郎で時々やる、子供を全力で怖がらせようとする回ですよコレ。
プリキュアの歴史的にも、ここまで身内に被害が及んだ――及んだ描写を直接的に描いたのは、これが初めてじゃないですか? 無印で操られた偽プリキュアにマドンナ、敵幹部が変身前に一般人を殴って気絶させた程度で。


自分は確信しました。
本気だ。フレッシュプリキュアのスタッフは本気だ!
劇中のプリキュアと同じように、決して逃げず諦めず、物語を創ろうとしている!


そして遂に、ラビリンスの幹部と対面するプリキュア3人。そう、ここで対面しなきゃカタルシスは得られない。
バンクなしで炸裂する必殺技! 黒板撃破!
そして元に戻る世界。ええとつまり、ナケワメーケの物理攻撃によるダメージは元に戻らないけど、特殊能力で間接的に与えた影響は、修復されるわけですね。
これまでが被害丸残りだっただけに、母親の無事を確かめようとするシーンは、異常に緊張感ありました。
……だからって、テーブルに皿なしで直に復帰するハンバーグはどうかと思ったけど。まぁ皿は消えてなかったからこれで正しいんだけど、そんなところまで忠実に修復させなくてもいいんだよ!(笑)


いやはや、心から叫びたいです。
そうだよ、こういうの観たかったんだよ!
こういう話があってこそ、ヒーローは輝くんですよ。
戦う目的、守るべき者、それから目をそらさず描く。勿論、子供に楽しんでもらえる華やかさも忘れない。
これは…………今度こそ、信じていいの?



細かいところ。
母親との衝突で、ラブも母親も自分で仲直りしようと動いていたのは、実に丁寧。
一方で、最初にハンバーグ食べたとタルトを疑ってしまったことを、ラブがちゃんと謝る辺り気配りが届いてる。もう気にしないタルトの大人さも含めて。隙がなさ過ぎる……
ツッコミどころと言ったら、汗かいた練習着のままスーパーに行くなとか、着替えてから料理しようとか、そのくらいかな……販促上仕方ないんだけどね。
それと、別に消されるでもないのに、展開から置いてけぼり食らったラブ父には吹いたけど、どうだろう。父親が弱い時代はどうかと思うが、そこは女子向けアニメってことで勘弁、なのかな?
……思えば、美墨父や日向父はちゃんとした大人でしたね。夢原父は一回しか見たことないけど。



で、ラブのニンジン嫌いは直ったのかどうか。
直らないままだと、30分前の番組のディケイドとクウガのように、ニンジンをなすりつけ合うような大人になるよ?(笑)

7話。東(ひがし)せつな……東光太郎の親戚ですか?(笑) いやさんざ既出ネタですが。

明らかにキリヤ、霧生姉妹の系譜を組んだキャラであるイースの人間体、遂にラブと接触
そして何だかんだで楽しんで遊んでる辺りも、お約束通り。
でも新鮮だったのは、リンクルンを奪おうとしたことでしょうか。変身出来ないうちに倒せばいい、全くその通り。無印序盤で、一度奪っておきながら「全力でかかってこい!」とか唐突に言い出し玉砕したカブキマン、少しは見習え。
……てっきり、イースプリキュアの力を奪って、逆に変身するのかと思ったけど。ダークプリキュア、遂に本編で登場? S☆S放送当時、満薫にも闇側のプリキュアとして変身してほしかった自分です、ゲキレンの理央様&メレの如く。


さて、今回も戦闘は頑張ってた。
時計ナケワメーケの能力で、任意のものの時間を止める。意識は残ってるのが不思議だけど。
で、それの対抗策として、時計の針を止めるとか何という機転。前作のドリームもそうだったけど、ピーチも戦闘中の機転が利きますな。
しかもラブの場合は料理が出来るし、実は「スポーツも勉強も苦手」なだけで、いわゆるアホの子じゃなさそうだ。6話にしろ8話にしろ、結構落ち込むし……やっぱり、前作主人公とはタイプが違いますね。


そして、やっぱりレンゲルクローバー担当になってしまったイース
やっぱり彼女が4人目か、それとも一ひねりあるか?
やけにせつなに抱きつきまくりだったラブですが、彼女たちが初めて対面したラビリンスの幹部が、よりにもよってサウラーって辺り、正体バレ後の展開が怖くもあり……
ダークドリームやデスパライア、そしてブンビーさんの心変わりをも、真っ先に見抜いた前作主人公。今作主人公は、果たしてどう動くか?
……結構泣き顔のイメージが強いもんで、ラブの反応が心配。



果てさて、カオルちゃんだ。
「細かいことは気にしない」と、喋るフェレットをあっさり受け入れていたとは。だから4話でタルトがドーナツ買えたのね。
ここまで深くプリキュア側の世界に突っ込んだ準レギュラー一般人キャラは、彼が初めてですよね。
せつなとも面識出来たし、カオルちゃんが今後どうプリキュアの常識をブチ破ってくれるか、ますます楽しみです。

8話。だから「シフォン」って名前は、『ふたご姫Gyu!』の生徒会長を思い出すと何度も(略)

キュアビタンの「業者」って……その昔、おジャ魔女の時代。問屋魔女のデラという、コワイナー声の業者が魔女界に居ましてですね。
しかも連絡先が明らかに電話番号(読めないけど)。スウィーツ王国にも、電話って開通してるんだ……


ないものは作ればいい、ということで、無理矢理にキュアビタンの材料を集め始めるラブ一行。
……またヨゴレ担当に回された美希、一方笑顔で激辛シュークリームをラブに差し出すブッキー。何、この差。
そして結局、竜巻のかけらはどうやって手に入れたのか。
でもって、地面に落ちたドーナツ(が材料のミルク)を赤ん坊に与えていいのか?


笑えるツッコミどころも多いですが、外さないところは外さない。
ラブが心を込めて作った……バナナココアミルク生クリーム入りだっけ? 赤ん坊が飲めるかよ! なそれを、シフォンが飲んだシーンはなかなかでした。シフォン側もラブに応えた辺り、一方的なお世話関係じゃないという。
で、何で飲めたかと言ったら、離乳食の時期に入ったからというフォローまで。ハンバーガーが離乳食とは思えんけど。S☆Sの頃の妖精キャラ、フラッピの好物はふりかけご飯だったんだぞ、何という贅沢な赤ん坊か。
まぁやはり、常識で考えても仕方ないんですけど。



さて今日のウエスターは普通に悪役。
でも登場時、育児誌を脇に抱えてた辺り、やっぱヘンな人丸出し。
……買ったんだろうね、自腹で。研究しようとしたんだろうね、サウラーみたいに。しかも密かにナケワメーケをパワーアップしたって、どうやったの?
しかし、やってること自体は外道。それに対するは、新バンクによる新必殺技!
おジャ魔女無印のポロンを想起させるデザインでしたが、ロッドなんですねコレ。



それと。ミユキさんが、ようやく大人として動いてくれたのが嬉しかった。
ちゃらんぽらんとしながら、こっそり若者の話を聞いてやってるカオルちゃんとは対照的ですね。
……もしかしたら、ミユキさんもまた、プリキュア側の事情に突っ込むキャラになるのかも?
こんな推測を聞きましてね。現在ラビリンスに「北」の幹部はいないけど、もしミユキさんの漢字名が「美雪」とかだったら――北を連想させるものだったら――と。



さて次回だ。ってか、これ書いてる今は約4時間後なんだけど。
個人の夢とプリキュアを天秤にかけた美希の決断は、どこまで描かれるか。都合良くデビューのチャンスが消えてしまうとか、そうならなければいいのですが。歴代では、オーディションをかなぐり捨ててプリキュアを選び落選したうららなんて例もあれば、引っ越しがただの勘違いとか、そういう酷いのもあったからね……
かつて小々田先生が、夢が出来たらそちらを優先してくれてもいいんだよ、とのぞみに言ったことありますが、果たして――

*1:また良くありそうな衝突なんだ、コレが。映画S☆Sの小さなすれ違いのフォローを忘れてたら大きいヒビが入った子供らしい喧嘩なら、こちらは真摯な言葉が伝わらない=信じてもらえないことへの憤り。どちらも説得力ある描写です。