「楽ちんに儲けられるヒット作なんてない!」……と、いいなぁ。

衣兄祝! 銀魂4年目突入決定!


……祝っていいものか。
銀さんのことだから、次週アバンタイトルで「ゴメンやっぱなし」とか言いそうだったけど。

2009/02/19
【速報】アニメ銀魂、4年目が決定しました!
皆様のご声援により、
アニメ銀魂はいよいよ4年目に突入します。
ますますヒートアップする「銀魂」ワールド!
ぜひご期待下さい!


http://www.sunrise-anime.jp/news/gintama2/

公式に書かれちゃ、間違いないですね。


アニメ5期鬼太郎が3月末終了と確定した*1一方、まさか銀魂がこんなことになるなんて。
いつ「銀さんが突然番組に出られなくなった!」とか言われても、「あーとうとうやらかしたか、銀魂じゃしょーがねェや」と言われて終わりそうな作品が、気がつけば長寿番組に……
お前らがあざといDVDジャケットに釣られたからだ、もう買うな! なんて言えるのも、勝者の余裕ですね。
そして本当に「釣られた」原因が、わざとらしい外見だけにないことは言うまでもなく。
ただ都合のいいことしか言わない美形キャラとは真逆の位置にある、清も濁も詰まった"侍"たちだからこそ、男女問わず幅広い層に支持されてるのだと信じたいです。


未曽有の不況下、資本主義はますます暴走し、その場の利益だけを追求する流れはエンターテイメントまで浸食し始めた。
鬼太郎すら食い尽くし、次はドラゴンボールまで引っ張り出した。これが食われたら、次はありません。
そんな中、「売れさえすれば何やったっていいんだ!」という非情な現実を逆手にとり。常に限界に挑戦し、いや明らかに限界突破し続ける銀魂
ただのバンク使い回しアニメや、同じことの繰り返しアニメとは一線を画すその精神まで、「迂回ルート」に入らないことを今は願うのみです。
……入ったら入ったで、それ自体ネタにしそうなのもまた、銀魂なんですが。



そういえば、実写版ドラゴンボールの公開も近いですね。
プロモーション冒頭でわざわざ原作者の「原作とは別物です」と断りを入れたり、土田晃之氏が原作好き故にオファーを敢えて蹴ったりなど、ヤな予感が充満し過ぎてます。
ネット世間でも、全力で「コケろ!」という空気を作り続けてます。主題歌が浜崎あゆみと発表され、「盛り上がって参りました!」とこぞって万歳三唱する様には、大いにドン引きさせて頂きました。
まぁ自分も興味は全くなかったのですが、『ドラゴンボール改』がスタートする今、状況は一変しました。


原作の設定を「ドラゴンボールである意味無いんじゃない?」ってところまで解体してるように見える、実写版。
けど、もし、その根底に「ドラゴンボール」のテーマをも解体する精神があったとしたら?
少年漫画であり、大ヒット作品だからこそ、原作で描けなかった部分を補完するような、新解釈を見出せるとしたら?
実写だからこそ、特撮だからこそ出来ることを見せてくれるとしたら?


……そんなことを、『仮面ライダーディケイド』を観ていて思うのですよ。
白倉P曰く、ディケイドの精神は「リスペクトという名の冒涜。あるいは、冒涜という名のリスペクト」だそうな。
今のところ、異論を挟む余地は見つかりませんね。
その作品の「もう一つの可能性」を、短い中で見せてくれているのですから。


海を挟んだ向こう側の大陸で、ドラゴンボールを意欲的に、挑戦的に、新しく作り直しているかもしれない一方。
その世界的ヒット作を生み出した我が国は、「原作通り」で保守的なものを、無難にリメイクして、再放送する。
どっちが優れているのでしょうね? どっちが勝ったと言えるのでしょうね?


全ては、蓋を開けて見なければ分かりません。
勿論この実写版が、明らかに原作を「わかってねェェェ!!」な駄作になる可能性も高いです。
一方「改」が、原作でフェードアウトしたサブキャラまでキチンと見せ場を与えるような、かゆい所に手が届いたリメイクになるって希望的観測も出来ます。
思い返すは、『のび太の恐竜2006』の最後の展開。原作ではタイムパトロールに日本まで送ってもらった一方、リメイク版ではのび太たち自身の足で目的地に到達させた。これぞ、原作を十分に理解し、リスペクトした上での改変と言えます。*2
こういうものを見せてくれるのは、果たしてどちらのほうか? それとも共倒れか?(笑)


――ただ言えるのは、自分は「戦う作品」が好きだってことです。
現実に妥協せず、新しい世界を切り拓く物語が、作家が大好きだ、ってことです。

もう一度警告を発しよう
今 マンガが売れてるのは本当に「楽しい」作品を読めるからではなく…
「楽ちんな」作品を読めるからではないか?


次から次に 最強の挑戦者が現れて
無限に戦いを繰り拡げていくというマニュアルどおりの筋展開…


主人公が負けたり挫折したりして ストーリーに谷になる部分を描いたら人気投票が落ちるからと
延々 戦ってるシーンでつないでいく ワンパターン展開*3


マンガ作りにもマニュアルができてしまう
編集者と漫画家がまるで ハンバーガーショップの店員のように作品を提供しているとしたら
たしかに 売れるだろう
味や栄養の方はどーだか知らないが…


ごーまんかましてよかですか?


わしは味と栄養にこだわろう
その上ちょっとヤバイ毒をまぜて独特のコクを作ろう


いつか この姿勢が商業的な成功にもつながって…
会社ももうけさせて…
雇用の充実にもつながるという信念は捨てない!!


(『ゴーマニズム宣言』第89章「反・楽ちん主義」より)*4

さぁ銀魂4年目は、そして超・電王は、どんな新しい毒を我々に提示してくれるのか?

*1:「週刊フジテレビ批評」にて投書があり、広報より正式に3月終了がアナウンスされたとのこと。

*2:でも、エンディングで原作のコマを使うのは、アニメとして禁じ手であり失格だよね。そこを逃げずにアニメで描いてくれたら……

*3:何その平成ライダー(笑)。1作ごとに既存のフォーマットを壊し続ける平成ライダーも、ここだけは常に保守的なんだよね。何故?

*4:ちなみに1994年2月、今から15年前に描かれた作品であり、警告です。