明後日、Yes!プリフェアで『ベレムナイト』様の委託本を置きます

『俺的どれみ』『EROマンガ』などを経て、同人活動を『ベレムナイト』に統合した、いのうえさん。
氏の本の委託を2種、お受けいたしました。


(2/10追記:いのうえさんのサイトでも告知が、ってあ! ブース名書き忘れてた! 「プ21」です!)

いのうえさんのギャグは、とにかく「容赦がない」。
作品を十分理解した上で、理解したからこそ面白く思える方向へ、容赦なく突き進んでいます。この本も。
うらら→のぞみの構図は定番ですが、その定番を容赦なく突き詰めています。限界突破してます。
……読めば、分かります。ええ、バカ笑いしました自分。

かつて『めちゃ×2イケてるッ!』の名物コーナー「七人のしりとり侍」が、「いじめ助長」との不当な抗議を受け打ち切られた際。
爆笑問題太田光は、『秘密の!! 超爆笑大問題』の人気コーナー「今日のコラム」で、こう言っていました。

太田「今日のテーマは『俗悪番組』です。」


太田「先日、NHKと日本民放連が設置した放送と青少年に関する委員会で、フジテレビの『めちゃ×2イケてる』の中の『しりとり侍』のコーナーと、テレビ朝日の『おネプ!』の中の『ネプ投げ』のコーナーが、青少年に悪影響を与える恐れがあるという見解がなされました。両番組では早速それぞれのコーナーを打ち切りにするということを発表しました。」


太田「昔から俗悪番組と言われた番組は、今振り返ってみると、それまでのバラエティーの歴史を覆したような素晴らしい番組ばかりです。『うわさのチャンネル』『8時だヨ! 全員集合』『オレたちひょうきん族』。どれもテレビ史に残る名作です。」


太田「確かに、それらの番組は当時少年だった私にたくさんの悪影響を及ぼしました。番組をまねて悪ふざけして友達をいじめたこともありました。しかし、番組が私に与えた影響はそれだけではありませんでした。人を笑わせるということがどれほど素晴らしいことか。ずっこけてみせるということがどんだけ人を楽しませることか。既成の枠にとらわれないということがどれほど楽しいことか。そういったことを私はこれら俗悪番組から学んだような気がします。そして、それが私の原点になったようです。」


太田「当時の子供たちだって、それらの番組が大人から批判されていることぐらい知っていました。でも、どんなに批判されても面白いものを作るという信念を制作者が曲げなかったからこそ、われわれは毎週楽しみにその番組を信用して見たんではないでしょうか。子供は大人が思うほど子供ではありません。子どもが見ているのは番組の中のことだけではないと思います。」


太田「今回、二つの番組がコーナーを打ち切りにしたことが、毎週その番組を楽しみにしている子供たちにどういう影響を与えるのか。」


太田「もし、われわれ爆笑問題の番組の中のコーナーが青少年に悪影響を与えるということで打ち切りを要請されたら、たとえその相手が大きなテレビ局であろうとも断固戦って、それでも合意できなければ最終的には番組を降りると田中は言っています。」


田中「ちょっと待てよ、俺だけかよ! おまえはどうすんだよ!


太田「私はもちろんテレビ局、スポンサーの意向にすべて従います。」


田中「待てよ、おい。


太田「NHK並びに民放連の皆さん、今後とも私、太田光をよろしくお願いします。」


田中「ずるいぞ、おまえ!

理不尽な状況に対し、「笑い」で対抗する。
これこそ芸人魂です。


思うに、その魂を、本書は体現しようとしたのではないかと。


そもそも、今ほど「ファンの間で」やれ売り上げだ、視聴率だと言われている時代はないでしょう。
本書には低視聴率だ、4.1%台だと書かれてますが、平成ライダー初の続編まで作られるらしい『電王』も、最低視聴率は4%台だったそうです。その視聴率を足場に、不当な叩き(否批判)を受けることもしばしば。
他にもDVD売り上げ枚数に「1ゼーガ」なんて単位を持ち出したり、玩具会社の資料を画像にして流出させたり。何で作り手でもない連中が、ここまで気にして争い合うかサッパリ理解できません。
……と、そう言えば、ウルトラマンネクサス響鬼だと言い返される始末。個人的には「打ち切られたくないなら、グッズを買って応援すべきだった(大意)」という、とある漫画家さんの主張もショックでしたね。主張の是非以前に、ああ、そういう時代なんだって。
作品が商品なのは当たり前、しかし受け手側がそれを意識してしまっては、子供にそれを意識させるような環境を作っては、文化は全く育たない。ああ、文化なんてどうでもいいですよね、その場その場の視聴率と売り上げさえ良ければね。
資本原理主義はここまで浸透したか、もう純粋な日本人はどこにもいねーな、なんて愚痴の一つも言いたくなります。


絶望した!」的な状況を、どこまで「笑い」に変えられるか?
このテーマに真正面から挑んだ、という点において自分は本書を大きく買っています。いや自分が勝手にそう思っただけですが。
現実を前に悲嘆するのではなく、どこまで笑顔を見せられるか?


最後に言っておきます。
いのうえさんが、プリキュアシリーズで一番好きなのは『S☆S』です。
そして、不肖ながら私、HTBも。