『映画プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!』雑感

そんな訳で観てきました。
かーなーり本格的なミュージカル仕立てに創られているので、覚え書きとしてブログ記事にすることにしました。
以下、ネタバレ全開でお送りします。


……ただし!
筆者、実は「ガチのミュージカル」が苦手だったりします。これは個人の好みだから仕方ありません。
それをご承知の上、お読みくだされば幸いです。











準備はよろしいですか?











……いやホントにミュージカル苦手だって再確認したんですよ……











それでも、本当によろしいですか?










映画プリキュアオールスターズSTMM*1雑記

ぶっちゃけ、最初はうまくノレませんでした!!(笑)
これは完全に自分の好みの問題です。
映画の出来とかじゃなくて、本当に個人的感情の問題なんです。



どういう訳か。
まず、ミュージカル自体苦手と、再三申し上げた通りなのです。
冒頭でいきなり唄い出すのはまだいいのですが。
ラクル&マジカルが、激闘の中心折れてしまうシーンで「無力な戦士」を唄い出すところで、唄う元気あるなら戦おうよ!とか思ってしまったのです。
ホント自分は、ミュージカル鑑賞に向いていない。
シーン自体は、ミラクル&マジカルが完全に離れ離れになるという状況で、しかも周りでは再生怪人とはいえ、歴代ラスボスと大激闘。
歴戦の勇士たる先輩たちならともかくも、プリキュア成りたてのまほプリでは、挫けて当然の状況です。
だからこそ、唄ってる間に攻撃されんじゃね?とか思ってしまう。
……何だろうね……ひっどい発想するな自分……



後は、まぁASDX2と似たようなものですが。
みらい&リコのキャラの違和感。仕方ないけど。
魔法を普通に成功させたリコはいいとしても。
ゴープリ勢に遭った際「今プリキュアって言いました!?」とか、再会時に「計算通りだから!」くらいの口癖の応酬は欲しかったなぁ、と。
そして何故、サファイアスタイルだけ出て、ルビースタイルは出なかったのだろう……



そして、声優さんの問題。これも人数的に仕方ないのですが。
正直、ブルームの台詞どれくらいあったっけ? ってレベル。
ブラック&ホワイトの初代も、大体が全員を仕切る役だけ。
ツッコミのためだけに呼ばれたサニー、いつもの変顔変声(?)担当のためだけに呼ばれたマリン。檻のシーン以外でほぼ喋ってないんですよね……
過去プリキュアの台詞の量が、全体的に少ないんですよね。


他作品同士のキャラの絡みも、後述するピンクチームを除けば、殆どないようなもの。プリキュアのMステと揶揄された前作は、実は他作品同士のキャラを話させるというシチュエーションを創るという点では上手に出来ていたのですよ。
そしてハピプリ勢、ドキプリ勢。まさかいきなり現れ全員喋ってくれるとは思ってなかったので、その後の活躍をヘンに期待してしまった。名乗って技撃って、大体出番終了となるなんて……
そんな中、まさかルルンが喋るとは思わなかった! 何故君が!? いや友人曰く、独りで何も出来ないから、ミラクルが守らねばならないと決意できる対象になるってことですが。



あ、ついでに、プリキュアの捕まった理由が、ラスボス自爆ってのも何か哀しかった……
トラウマから造られた再生怪人だからCVが違うのは仕方ないけど、そこは名優・関智一さんを呼んで全員演じさせればいいのに、と平成ライダー的発想をしてしまった(笑)。
で、あれだけプリキュアが揃ってて、何で檻一つ破れなかったのか説明ありましたっけ? プリキュアの力を封じる、海楼石みたいなもので造られてたんですかね?(笑) 全く、ゆいちゃんは一般人ながら檻破ったというのに(←それはそれ、これはこれ)



以上、不満だった点。
あくまで「自分のせい」です。視聴の仕方が根本的に間違ってたのです。
てなわけで、ここからは良いところを述べていきたいです。



ピーチブロッサムメロディハッピーの4人組は新鮮でしたわ。
失敗しかけたけど、合体技とか見られましたしね。
そして何より劇伴! 「歴代ピンク大活躍!」という名前と伺いましたが、変身シーンに流れる音楽メドレーが嬉しかった!
ほら、『メビウスウルトラ兄弟』や『超ウルトラ8兄弟』では、マンセブンジャックA変身時、それぞれの音楽がアレンジされて流れたじゃないですか!
『MOVIE対戦MEGAMAX』でも、「戦え!七人ライダー」がインストアレンジで冒頭から流れ、そのバックで七人ライダーが戦ったり!
最近の作品でも、『ギンガS 決戦!ウルトラ10勇士』では、歴代平成ウルトラマンのテーマがアレンジされたり!
そういうのが好きなんです、自分。だからプリキュアでもやってほしかったんです!
昨年のASでもアレンジメドレーは流れましたが、やっぱり戦ったり決めポーズ取りながら流れたほうが燃えますよ!
いやぁ、嬉しかったです。


そしてミラクル&マジカルの再会シーンでかかった、五條真由美さんの「やっと会えたね!」。
挿入歌的な使われ方なら、スッと入り込めるんですよね。
流石は五條さん、プリキュア無印からプリソンを唄い続けてきたレジェンド。何やかんやで盛り上がりました。
その後のミラクル&マジカルは、まさにこの映画の主人公!振りを発揮してて、爽快感が違いましたね。
立ち直る足がかりが、「皆でお花見したいから」なのも、実にプリキュアイズムに溢れていますね。



さて、色んな界隈で人気のソルシエールさん。
「遺言は解りやすい形で遺しましょう」っていう、今川Gロボのテーマ(?)が頭をよぎりましたが、唄こそ究極魔法の正体だというのはお見事。
「頭にカニバサミ付いてますよ」と銀さんに延々ツッコまれそうな頭頂部でしたが、彼女が全てを知り決意した際、そのカニバサミがくっついてハートに戻るのではなく、分かれたハートがそれぞれ別のハートに変わって2つになるのも芸コマでした。
一度ひび割れた心は「元通り」にはならない、でも新しい心を作ることは出来る、って感じですかね。
そして究極魔法「魔女の子守唄〜歌は魔法」の説得力たるや。新妻聖子さんのいかにもな歌声をバックに戦い、トラウーマを撃破! ええと、マクロスシリーズ的な使い方?(←違う)
カタルシスがハンパないです。挿入歌的な使われ方をされるミュージカルなら、自分はノリノリになるんですね。


でもって、トラウーマ役の山本耕史さん!
新妻さんも演技は十分巧かったですが、山本さんは群を抜いていた!
キャラクターを創った声を出していて、感動しましたわ。
個人的には、『新大魔境』のサベール隊長役・小栗旬さん以来の衝撃でした。後から「え、このかたがこの役だったの!?」と驚ける、そんなゲスト声優なら大歓迎です!
……しかしトラウマというから、プリキュアの心深くを抉る(ホワイトのキリヤくんとか)もんだと思ったら、まさか最後の手段がスカンクの放屁とは! コメディに徹する演技も完璧でした。
しっかし、よく耐えたよプリキュア! 頑張ったよプリキュア! というか「プリキュアの涙」って、精神的なものでなく、生理現象で流されたものでいいの?(笑)
ともかく、ちゃんとミュージカルできて、更に演技力も求められるという難関を乗り越えたお二人には、惜しみない拍手を送りたいです。



唄には魔法のような力がある。力を失っても、元気な歌を思い切り唄えば心が晴れる。そしてそれが活力になる。
それを示すためのミュージカル。
自分は楽しみ方を失敗しましたが(笑)、目的は達成されていたと思います。
ミュージカルを素直に楽しめるかたなら、おそらく問題はないでしょう!



ハピプリ&ドキプリの活躍の少なさは……まぁ、仕方ないのかな?
この尺と人数の問題は、翌年どう解決するか。気の早い話ですが、平成ライダー春映画のようになる前に、何とか打開策を練ってほしい限りです。


以上! お疲れ様でした!

*1:で、結局正式には何の略なんだろう?